月並廃句

本当の自分を言の葉の海に求めて再び船を漕ぎ出した孟 宗竹が片言隻語を拾い集めて陳腐な廃句を紡ぎ出す。

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今ではドラマやCMでブラウン管を賑わす女優のM子と二人っきりになっても、その時のボクは有り得ない程平常心だった。

当時のボクの愛情は5つも6つも年下の幼い少女に向けられていて、
従って勿体無いことに、
同級生は芽生え始めた性的好奇心の対象からも少し外れていた。

だから、計画通り(?)二人きりになった部屋でM子が、
恐らくは勇気を振り絞って、チラチラと覗かせるミニスカートの奥にも、さり気なく擦り寄せる体にも興味を見せず、
ただ、M子が見せてくれた赤ん坊の頃のアルバムの全裸の写真だけに魅せられたボクに、イライラともどかしさを感じたのも無理はなく、
当時のM子がどれほどマセていたか、その時どのようなことを、或いはどこまでを期待していたかは定かではないが、
終いには、アルバムに見入っているボクの背中に抱きついて来た。

さすがにボクも何かを感じ、反応せずにはいられなかった。

いられなかったのだが、ボクが見せた反応は間違いなくM子が期待していたようなものではなかっただろう。

反射的に振り向いたボクの口唇に、まるで漫画かドラマのようにM子の口唇が重なった。

偶然でなどあるはずもなく、ボクだって瞬間的に偶然ではないと感じていたし、事実偶然ではなかったはずなのに、
息を詰め、動きを止めたボクから数秒後にM子が離れた時、
あろうことか、ボクはまるで偶然であったかのように振る舞ってしまったのだ。

偶然として片付けてしまった結果、必然的に出来上がったぎこちない空気の中、程なくしてボクはM子の家を後にした。
 
 
 
あれがボクの初めてのキスだったし、M子のファーストキスでもあったかも知れない。

そして、この口づけを“偶然の接触”として片付けてしまわなければ、
ボクとM子の人生はきっと今とは違っていたはずで、
そこには『運命』を感じずにはいられない。
 
 
 
翌日、何事もなかったような顔をして登校したボクは、
以来、一言もM子と言葉を交わしていない。
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Author: 孟 宗竹
 
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